こんにちは。
ナマケンです。
今は週4日勤務、週休3日。当直もオンコールも一切ありません。白衣は着ていますが、命を削るような働き方からは、きれいさっぱり距離を置いています。
こんな不満、心当たりありませんか。
当直明けなのに普通にフル稼働。
責任は重いのに、評価はされない。
「安定してるんだから我慢しろ」と言われ続ける毎日。
……まあ、ありますよね。
私もありました。というか、だいたい全部ありました。
この記事では、麻酔科医が「そろそろ転職を考え始める瞬間」を、私自身の感覚も交えながら整理しています。
もし読んでいて「これ、自分のことだな」と感じたら、それは甘えではありません。むしろ、かなり正常です。
1.当直やオンコールが体力的に限界を迎えたとき
年齢とともに蓄積する疲労
若い頃は、当直明けでもそのまま手術に入り、「まあ眠いけど何とかなる」で回せていた人も多いと思います。私もそうでした。
ところが、ある時期を境に様子が変わります。一晩起こされただけで、翌日は頭が回らない。帰宅しても疲れが抜けず、休みの日は寝て終わる。
これ、気合の問題ではありません。
単純に回復力が落ちているだけです。
それなのに当直の回数も責任も若い頃と大差ない。このズレに気づいた瞬間、「この働き方、いつまで続けるんだろう」と現実的に考え始めます。
睡眠不足が判断力に影響し始める瞬間
寝不足の状態で仕事をしていると、「いつもなら気づくはずの違和感」を見逃しそうになる瞬間があります。
実際に大きな問題が起きなくても、「今のはちょっと危なかったな」と、後からじわっと冷や汗が出る。
患者さんの安全を最優先に考えてきた人ほど、この感覚は堪えます。
体力だけでなく、判断力にも影響が出始めているのではないか。
そう感じたとき、当直やオンコール前提の働き方から距離を取りたくなるのは、ごく自然な反応です。
2.労働量と報酬が釣り合わないと感じたとき
責任の重さに比して評価されない現実
麻酔科医の仕事は、何事もなく終われば「問題なし」で流れます。
うまくいって当たり前。
トラブルが起きたときだけ、急に存在感が増す。
その割に、給与明細を見て「これだけやって、この金額か」と感じたことはないでしょうか。
表で褒められることは少なく、裏では責任だけが積み上がる。
この構造に気づいた瞬間、心のどこかでモヤっとしたものが残ります。
数字で冷静に比較してしまった瞬間
同世代の医師や、医療以外で働く友人と話したとき、ふと収入や働き方の話題になることがあります。
夜は普通に寝られて、週末もしっかり休める。
それでいて収入は、自分と大きく変わらない。あるいは上。
帰り道、頭の中で勝手に計算が始まります。
拘束時間を時給に直したらどうなるか。
この生活を10年続けて、何が残るのか。
数字で考え始めると、感情論ではごまかせません。
労働量と報酬のバランスに疑問を持ったとき、転職は一気に現実的な選択肢になります。
3.医療安全や訴訟リスクへの不安が大きくなったとき
インシデントが頭から離れなくなる
大事には至らなかったものの、「一歩間違えたら危なかった」という経験の後、その場面が何度も頭に浮かぶことがあります。
家に帰っても、何をしていても、ふと思い出してしまう。
周囲からは「結果オーライ」と言われても、当事者の感覚は別です。
何かあれば、最前線で矢面に立つ立場だという自覚があるからこそ、不安は簡単に消えません。
この状態が続くと、仕事そのものが精神的な重荷になっていきます。
「自分は守られているのか」と感じた瞬間
トラブルが起きたとき、病院がどう動くか。
ここで見える姿勢は、とても大きいです。
説明や対応をほぼ個人に任され、「あとはよろしく」と言われた経験があると、次も同じだろうなと想像してしまいます。
責任は重いのに、支えは薄い。
そのバランスに疑問を感じたとき、「もっと安心して働ける場所はないのか」と考え始めます。
まとめ
麻酔科医が転職を考え始めるきっかけは、派手な事件ではありません。
当直明けの体の重さ。
給与明細を見たときの小さなため息。
トラブル対応後に残る、言葉にしにくい不安。
どれも日常の中にある、ごく小さな違和感です。
ただ、それを「みんな同じ」「慣れの問題」で流し続けると、気づかないうちに余裕が削られていきます。
転職を考えることは、今の環境を全否定する行為ではありません。
「この働き方、本当に自分に合っているか」を見直すための、ごくまっとうな行動です。
私自身、そうやって立ち止まった結果、今の働き方にたどり着きました。
もし少しでも引っかかる部分があったなら、それは次の一歩を考える合図かもしれません。

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