目次(8項目)
マイクロ法人を作った医師が、最初に決めるのが法人口座です。どこで作るか迷ったら、候補は住信SBIネット銀行とGMOあおぞらネット銀行の2社に絞られます。
ナマケンも設立直後にこの2社へ同時に申し込んで、先に通ったGMOあおぞらを採用しました。住信SBIは取り下げています。
この記事では、2社の医師目線の比較と、同時申し込みでリスクを下げる運用を整理します。
うさ子 2社同時申し込みって、銀行に怒られたりしないんですか?
ナマケン 銀行ごとに独立した審査だから問題ないんだ。マイクロ法人は実績ゼロで審査の当落が読めないから、同時に申し込んでリスクを減らすのは普通の選択だと思う。
この記事でわかること
- マイクロ法人の法人口座で住信SBIとGMOあおぞらが候補になる理由
- 医師目線の比較軸6つ(手数料・社保自動引落・経理連携など)
- 2社同時申し込みでGMOを採用した経緯と書類対応
- 申し込みを取り下げた住信SBIをどう位置づけるか
口座開設・維持費無料
結論:マイクロ法人の法人口座は住信SBIとGMOあおぞらに同時申し込みが安全策
マイクロ法人の法人口座は住信SBIとGMOあおぞらネット銀行に2社同時申し込みが安全策。先に審査が通った方を主口座にして、もう一方を判断する運用が現実的です。
設立直後のマイクロ法人は、銀行から見ると「実績ゼロの未知の法人」です。1社に絞って審査を待ち、落ちてからやり直すと数週間ロスします。
時間の損を避けるなら、住信SBIとGMOあおぞらに2社同時に申し込むのが安全策です。先に通った方を主口座にして、もう一方を保留にすればいい。
ナマケンの場合、先に通ったのはGMOあおぞらでした。住信SBIは、GMO通過後に申し込みを取り下げています。
なぜ同時に申し込むのか
設立直後の審査は当落が読めません。書類が整っていても差し戻されることがあるし、逆にあっさり通ることもある。1社ずつ順番に試していると、それだけで月単位の遅れが出ます。
社会保険料・税金の自動引落、マネーフォワード連携、法人カードの紐づけ。法人運用に必要な動きは、口座が決まってから始まります。早く動かすほど経理が楽になるので、最初の時間ロスを避けたい。
最終的にメインを決める判断軸
両方通ったときの判断軸は社保自動引落・経理連携・コストの3点です。
- 社会保険料・税金の口座振替に対応しているか
- マネーフォワード連携が安定しているか
- 振込手数料・月額コストが事業規模と合うか
マイクロ法人の場合、社保自動引落と経理連携が回るかどうかで毎月の手間が変わります。
候補が住信SBIとGMOあおぞらに絞られる理由
マイクロ法人で現実的に開けるのはネット銀行で、口座振替・マネーフォワード連携・審査の通りやすさで住信SBIとGMOあおぞらが2強です。
法人口座の選択肢は理論上いくつもありますが、設立直後のマイクロ法人で現実的に開けるのは限られます。
マイクロ法人で現実的に開けるのはネット銀行
メガバンク・地方銀行・信金は、開設に紹介や事業実績、対面面談を求めることが多いです。設立1週間のマイクロ法人だと審査の入り口で止まる可能性があります。
ネット銀行は申込から審査まで完全オンラインで、書類の差し戻しもオンライン上で完結します。マイクロ法人の規模感と相性がよい選択肢です。
楽天銀行・PayPay銀行が候補から外れる理由
ネット銀行の中でも、住信SBIとGMOあおぞらが2強に絞られる理由は3つあります。
- 社会保険料・国税・地方税の納付に対応している
- マネーフォワード等のクラウド会計とのAPI連携が安定している
- 設立直後のマイクロ法人での審査通過事例が公開情報として多い
楽天銀行やPayPay銀行も法人口座を提供していますが、社会保険料の自動引落やAPI連携で対応していない部分があり、マイクロ法人運用とフィットしません。
メガバンクは別物
メガバンクで法人口座を持つ判断軸は別記事レベルなので、ここでは触れません。マイクロ法人で事業を回すなら、まずネット銀行で開設して経理を動かすのが現実的で、必要に応じて後からメガと併用する順序がおすすめです。
住信SBI vs GMOあおぞら、医師目線の比較表
社会保険料の口座振替に対応しているのはGMOあおぞらだけ。振込手数料は住信SBIが業界最安水準で、GMOあおぞらは設立1年未満なら月20回まで無料です。
公式情報をベースに、マイクロ法人運用に直結する6軸で並べます。
| 比較軸 | 住信SBIネット銀行 | GMOあおぞらネット銀行 |
|---|---|---|
| 振込手数料(他行宛) | 業界最安水準 | 130円/設立1年未満は月20回無料 |
| 月額・口座維持費 | 無料 | 無料 |
| 社会保険料の口座振替 | 未対応(Pay-easyのみ) | 対応 |
| 国税・地方税の口座振替 | Pay-easy経由 | 対応 |
| マネーフォワード連携 | API連携あり | API連携あり |
| 審査スピード | オンライン完結 | オンライン完結 |
※ 2026年5月時点の公式情報ベース。最新の対応状況は各行公式サイトで要確認。
振込件数が多いなら住信SBI
住信SBIは振込手数料の安さで業界最安水準です。月の振込件数が多い事業(仕入れや外注が多い)なら、年間の手数料差がそれなりに出ます。
ただし、社会保険料の自動引落には未対応です。公式FAQでも社会保険料は口座振替対象外と明記されており、毎月Pay-easyや窓口で年金事務所に自分で払うことになります。マイクロ法人の役員報酬を最低等級で運用する設計だと、毎月の支払い動作を自動化したい。
社保自動引落を回したいならGMOあおぞら
GMOあおぞらの強みは、社会保険料・国税・地方税・税理士報酬まで口座振替で自動化できることです。
毎月の引落は口座から自動で出ていくため、マイクロ法人で「払い忘れ」が起きません。フリーランス医師が本業の合間に法人を回す前提なら、ここが楽になる効果は大きい。
設立1年未満は他行宛振込が月20回まで無料というスタートアップ向け特典もあり、立ち上げ期のコストは住信SBIと大差ない水準で抑えられます。
マネーフォワード連携と経理自動化
両行ともマネーフォワードとのAPI連携に対応しています。連携の安定度は実運用の感覚ベースで差があり、ナマケンが採用したGMOあおぞらは月次仕訳の自動取込で困った経験がほぼありません(実運用の詳細はGMOあおぞら法人口座の1年レビューに書いています)。
うさ子 社保自動引落って、毎月の手間にそんなに差が出るんですか?
ナマケン 役員報酬を最低等級で運用するマイクロ法人は、毎月の引落が決まった額で動くから、自動化できると意識しなくて済む。手動で払っていると、月末ごとに「忘れてないかな」と確認する手間が地味に積み上がるんだ。
2社同時に申し込んでGMOあおぞらを採用した話
設立1週間後に住信SBIとGMOあおぞらの2社同時に申し込み、書類差し戻し2回を経てGMOが先に通過。住信SBIは取り下げました。
ここからは申込から採用までの流れを時系列で。書ける範囲は申し込みプロセスとGMOの採用、住信SBIの取り下げまでです。
申し込みのタイミング(設立1週間後)
合同会社の設立後、登記の確認が取れた設立1週間後に2社へ同時申し込みしました。マイクロ法人を作って早めに動きたい人は、設立後すぐに申し込んでも問題ありません。
申し込み自体はオンラインで完結します。所要時間はそれぞれ20〜30分程度でした。
必要書類は本人確認+事業確認の2点
両行とも、必要書類は基本的に2点です。
- 本人確認書類: マイナンバーカードでオンライン完結(eKYC)
- 事業確認書類: 事業計画書、法人の事業内容が分かるもの
履歴事項全部証明書の原本提出は不要で、登記情報は法務局のオンラインデータ経由で確認されました。
差し戻し2回をどう通したか
GMOあおぞらの審査では、書類不備で2回差し戻しを受けました。設立直後で取引実績がない法人だと、書類だけでは事業の中身が伝わりにくい。
最終的に、事業計画書を書き直してブログURL(このalchreal.com)を添付したら通過しました。設立直後でも、事業の証跡があれば審査は通る。
住信SBIを取り下げた理由
GMOが通った時点で、住信SBIは審査の途中段階でした。ここで申し込みを取り下げています。理由は2つ。
- 主口座が決まった以上、住信SBIに同等の手間(差し戻し対応)をかける動機が薄かった
- 法人口座を2つ持つと、月次経理の取込先が増えて二重管理コストが出る
社会保険料の自動引落に対応している銀行を主口座にすると決めたなら、もう一方は不要というのがナマケンの判断でした。
うさ子 予備として住信SBIも残しておいた方が安心じゃないですか?
ナマケン 気持ちは分かるんだけど、口座が2つあると毎月のマネーフォワード取込先も2つになって、勘定科目の振り分けが二重になる。マイクロ法人は経理を最小化するのが運用のコツだから、保険のためにコストを増やすのは本末転倒だと思って取り下げたんだ。
住信SBI・GMOあおぞら、それぞれが向いている医師
振込件数が多い事業なら住信SBIが向きます。社保自動引落・経理連携を回したいならGMOあおぞらが向きます。フリーランス医師のマイクロ法人は後者の運用と相性が良いです。
両行のメリットを踏まえると、向いている運用が分かれます。
住信SBIが向いている医師
振込手数料の安さを最優先する場合、住信SBIが主候補になります。
- 月の振込件数が10件以上ある(仕入れ・外注が多い事業)
- 社会保険料は手動納付に慣れている
- 振込手数料を年単位で最小化したい
医療収入を法人で受けず、物販・コンサル・外注で振込が多い人なら、住信SBIの方が振込手数料を抑えられます。
GMOあおぞらが向いている医師
毎月の運用を自動化したい場合、GMOあおぞらが主候補になります。
- 社会保険料・国税・地方税の口座振替で運用を自動化したい
- 月次経理をマネーフォワード連携で最小化したい
- 設立1年目の振込手数料を月20回無料枠で抑えたい
ナマケンのケースは医療収入を法人で受けるわけではなく、ブログ・執筆・コンサルが収入の入口で月の振込件数も少ないため、振込手数料の差は誤差レベルでした。社保自動引落・経理連携の自動化を取りに行ったのが採用理由です。
注意点:事業実態のないマイクロ法人での口座開設はNG
社会保険料の最適化だけを目的にしたマイクロ法人での口座開設はおすすめしません。事業の入口を持っていることが大前提です。
社会保険料の最適化だけを目的にマイクロ法人を作って口座を開く、という設計はおすすめしません。理由は3つ。
- 銀行の事業確認で「事業実態が見えない」と差し戻される
- 税務調査で「給与の付け替え」と判断される可能性がある
- 厚労省周辺で2024年以降、社保最適化目的のマイクロ法人を問題視する論調が強い
事業の入口(ブログ・執筆・コンサル・物販など)を持っていることが大前提です。事業実態を持って法人を運用していて、結果的に社保が下がる、という順序で考えるのが現実的です。
よくある質問
設立1週間後でも申し込み可能。副業医師でも事業実態があれば法人口座を持てる。メガバンクは紹介や実績を求められる傾向があり、ネット銀行が現実的です。
Q1. 設立1週間後でも申し込めるんですか?
申し込めます。ナマケンは設立1週間後に2社同時申し込みし、書類差し戻し2回を経てGMOあおぞらが通過しました。
Q2. 副業医師(給与所得メイン)でも法人口座は持てますか?
事業実態があれば持てます。ブログ・執筆・コンサルなど、医療以外の事業収入を持って法人を運用していれば、設立直後でも審査は通ります。
Q3. メガバンクで法人口座を作るのはダメなんですか?
ダメではありませんが、設立直後のマイクロ法人は紹介や事業実績を求められる傾向があり、ネット銀行の方が現実的です。事業が回り始めてからメガと併用する順序がおすすめです。
Q4. 住信SBIとGMOあおぞらを両方フル運用するのは?
可能ですが、月次経理の取込先が2つになり管理コストが増えます。先に通った方を主、もう一方は保留する運用が現実的です。
Q5. 法人口座の開設前にやっておくことは?
会社設立と事業計画書の準備です。設立サービス選びの整理は医師がマイクロ法人を作るなら会社設立サービスはどれ?で書いています。
まとめ:マイクロ法人の法人口座は2社同時申し込みが現実的
マイクロ法人の法人口座は住信SBIとGMOあおぞらの2社同時申し込みが現実的。先に通った方を主口座にして経理を動かし始めるのがおすすめです。
マイクロ法人の法人口座は、住信SBIとGMOあおぞらネット銀行に2社同時に申し込み、先に通った方を主口座にするのが現実的です。1社に絞って審査落ちすると数週間ロスするため、リスク分散の意味でも同時申し込みが向いています。
それぞれの向き不向きで言えば、振込件数が多い事業なら住信SBI、社保自動引落と経理連携を優先するならGMOあおぞらです。ナマケンは後者の運用と相性が良かったのでGMOを採用、住信SBIは取り下げました。
法人口座が決まれば、社保自動引落・税金の自動引落・マネーフォワード連携が動き出します。マイクロ法人の運用負荷は最初の口座選びでだいぶ変わるので、設立直後の早いタイミングで動いておくのがおすすめです。
ナマケンのひとこと
マイクロ法人で社保自動引落を回すなら最初に検討する銀行。設立1年未満なら他行宛振込が月20回まで無料、口座開設・維持費もかかりません。
口座開設・維持費無料
ナマケンのひとこと
2社同時申し込みで先に審査が通った銀行。社会保険料の口座振替とマネーフォワード連携が決め手でした。